澄んだスープに、そば粉の香りがふわりと立つ平壌冷麺(ピョンヤンネンミョン)。初めて口にした日本人が「味がしない」と戸惑うことも多い一杯ですが、韓国では長く“通の味”として愛されてきました。今回訪ねたのは、ソウル・양재(ヤンジェ)にある봉피양(ボンピヤン)本店。冷麺と、炭火で焼く豚カルビの二枚看板で知られるお店です(2026年8月訪問)。

ボンピヤンはどんなお店?#
ボンピヤンは、韓牛の専門店として知られる벽제갈비(ピョクチェカルビ)の姉妹ブランドとして、벽제(ピョクチェ)グループが手がける韓国料理店です。店内のメニューでは、ローマ字で「Bon Pi Yang」と表記されていました。公式サイトで看板メニューとして紹介されているのは、平壌冷麺と、ピョクチェカルビの技術を受け継いだ豚の本カルビ、そして韓牛のトッカルビです。
冷麺を支えてきたのは、60年にわたって一つの料理と向き合ってきた김태원(キム・テウォン)職人です。その技は20年をかけて後継者の탁중원(タク・ジュンウォン)氏へと受け継がれ、いまも全店の冷麺担当者が集まる「冷麺職人育成プログラム」が毎年開かれています。スープ出汁に使用する牛肉・豚肉・鶏肉から、麺に添えられる韓牛、얼갈이(オルガリ/若い白菜)に至るまで、徹底して質の高い韓国産素材のみを使用しています。
店頭には、ミシュランガイドの「ビブグルマン」に選ばれたことを伝えるバナーが掲げられていました。店舗は1〜2階の2フロア構成で、テーブル同士の間隔がゆったりと確保されています。仕切りのある席も完備されているため、グループやファミリーでも周りを気にせず落ち着いて食事を楽しめます。

▲ テーブルの中央に炭火の炉が埋め込まれている。窓際の席は通りに面していて明るい
平壌冷麺は本当に「味がしない」の?#
平壌冷麺のスープは、澄んでいて塩気も控えめです。辛くて濃い韓国料理を想像して口をつけると、拍子抜けしてしまう方が多いのも無理はありません。
しかし、これは「味が薄い」のではなく、余計な調味料を削ぎ落とすことで素材本来の旨味を極限まで引き出しているから。ボンピヤンの場合、韓国産の牛肉・豚肉・鶏肉からじっくり引いた出汁と、60年守られてきた職人技です。
まず麺をひと口すすり、その後にスープを飲むと、そば粉の香りと肉のだしが後から追いかけてくるように感じます。
価格は平壌冷麺が16,000ウォン、ビビン冷麺も同じく16,000ウォン、麺の追加(サリ)が8,000ウォンです(2026年8月時点)。

▲ 平壌冷麺 16,000ウォン。透きとおったスープに、錦糸卵・牛肉・青菜のトッピング
冷たすぎるのが苦手なら「거냉(コネン)」#
メニューでは「거냉(コネン)」も選べます。キンキンに冷えた麺が少し苦手な方向けの頼み方で、価格は平壌冷麺と同じ16,000ウォンです。冷たい麺料理に慣れていない方や、体を冷やしたくない日には、こちらを選ぶと最後まで気持ちよく食べられます。
この店の正解は「先に肉、あとで冷麺」#
メニューを開くと、このお店がおすすめする食事の流れがはっきりと見えてきます。
冷麺やごはんものは「고기 드신 후 식사(お肉を召し上がった後のお食事)」というカテゴリに分類されており、冷麺は締めの一杯として位置づけられているのです。
つまり、炭火で肉を楽しんでから、最後に冷たい一杯で口の中を整える。この順番こそが、ボンピヤンで用意されている本来の流れというわけです。今回はその順番どおりに、豚カルビ・チゲ・冷麺の3品をいただきました。

▲ 冷麺やチゲが「お肉を召し上がった後のお食事」としてまとめられている
돼지목심本갈비(テジモクシムボンカルビ)|270g 36,000ウォン#
韓国産豚(한돈/ハンドン)のスペアリブ20%と肩ロース80%を合わせた、この店を代表する豚カルビです。テーブル中央の炉に炭が入り、網の上でじっくりと焼き上げていきます。脂の甘みと、肩ロースならではの噛みごたえを同時に楽しめるので、たれをつけずにそのまま食べても十分に満足できます。
一緒に並ぶ반찬(パンチャン/おかず)も、サンチュのコッチョリやキムチ、ナムル、小魚の炒めものなど品数が多く、肉を焼いている間の箸休めになります。

▲ 焼く前の豚カルビ(左)と、卓上に並ぶおかず(右)
후식된장찌개(フシクテンジャンチゲ)|8,000ウォン#
「후식(フシク)」は食後という意味で、こちらもお肉のあとの食事欄に並ぶ一品です。豆腐ときのこ、青みの野菜がたっぷり入った味噌仕立てのチゲで、8,000ウォンという価格からは想像しにくいほど具だくさんでした。炭火の香ばしさが残る口の中を、あたたかい汁物がやさしく整えてくれます。

▲ 後食のテンジャンチゲ 8,000ウォン。焼き上げた豚カルビと一緒に
冷麺まで入るか不安なら「맛보기(マッポギ)」#
お肉のあとにフルサイズの冷麺は重い、という方のために、「맛보기(マッポギ/お試しサイズ)」の平壌冷麺・ビビン冷麺が各10,000ウォンで用意されています。2人でお肉を分け合い、締めにマッポギの冷麺とチゲを一つずつ頼む組み合わせなら、最後まで気持ちよく食べきれます。
お酒と合わせるなら?#
ボンピヤンでは、お肉や冷麺に合わせた本格的なワインのペアリングがメニューで提案されているのも大きな魅力です。平壌冷麺にはフランスのリースリング、テジモクシムボンカルビにはニュージーランドのピノ・ノワールが合わせられています。冷麺に白ワインという組み合わせは意外に思えますが、澄んだスープの香りを邪魔しない選び方だと考えると納得できます。
ワインの気分ではない日には、日本でもおなじみのYEBISU(エビス)の生ビールが13,000ウォンで用意されています(2026年8月時点)。こちらも、炭火の豚カルビとよく合う一杯です。焼肉のお店をもっと巡ってみたい方は、ソウルの炭火カルビ店を訪ねた記事もあわせてどうぞ。
訪問前に知っておきたいこと#
ランチタイムには、11:30〜15:00限定の「점심특선(ランチ特選)」が用意されています。店頭に出ている「평양냉면 점심특선(平壌冷麺ランチ特選)」は、お肉と冷麺を組み合わせたセットで、価格帯は2万ウォン台から4万ウォン台。韓牛定食(4万ウォン台~)は、基本のお膳に「ピョクチェ特製キムチ」+「マッポギ冷麺 または フシクテンジャンチゲ&ご飯」が付く豪華な構成です(※差額を支払えば食事メニューの変更も可能)。
名物の「녹두빈대떡(ノクトゥピンデトク/緑豆のチヂミ)」を注文できるのは15:00以降となります。
前菜やお酒のアテとして楽しみたい方は、遅めのランチかディナータイムに足を運ぶのがおすすめです!
- 住所: ソウル 서초구 강남대로 283 1〜2階
- アクセス: 신분당선(シンブンダンソン)「양재(ヤンジェ)駅」2番出口から414m
- 営業時間: 毎日 11:30〜22:00(ラストオーダー 20:50)
- 予約・問い合わせ: 02-522-9291
※ 営業時間・メニュー・価格は変更される場合があります。おでかけ前に、必ず公式サイトやNAVER地図で最新の情報をご確認ください(本記事の価格はすべて2026年8月時点のものです)。
まとめ|ヤンジェで平壌冷麺を楽しむために#
ボンピヤン本店は、本場の「平壌冷麺を知る」ためだけに訪れても十分に価値のある名店です。
ですが、お店が提案する食事の流れに沿って「先に炭火の豚カルビを味わい、締めに冷麺をいただく」という順番で注文することで、この店ならではの美味しさを心から実感できます。
地下鉄3号線・신분당선(シンブンダンソン)のヤンジェ駅から徒歩圏内に位置し、2フロアにわたってゆったりとした席が配置されているため、1人旅はもちろんグループでの食事にもおすすめのスポットです。季節ごとの韓国グルメを組み立てたい方は、秋の韓国グルメ完全ガイドもチェックしてみてくださいね。
お店への予約電話や、NAVER地図でのルート検索など、快適な韓国旅を支えてくれるのが現地でストレスなく繋がる通信回線です。韓国KTのプリペイドeSIMなら、日本にいる間に登録を済ませられるため、到着したその瞬間から地図やSNSを使えます。日本での販売とサポートはKT Japanが運営するttshopが担当しており、LINE(@ktjhelp)で365日、日本語のまま相談できます。
出典・参考リンク(2件)
- ボンピヤン公式サイト(碧蹄グループ) — bjgalbi.com ブランド紹介(2026-08-21確認)
- NAVER地図 ボンピヤン ヤンジェ本店 — map.naver.com 店舗ページ(2026-08-21確認)








